目次
遺言とは
遺言とは、ご自身が亡くなった後の財産の分け方や、特定の人への想いを形にするための意思表示のことをいいます。日本の民法では、遺言によって財産の承継方法を自由に指定することが認められており、相続トラブルを未然に防ぐ手段としても非常に重要な役割を担っています。
一般的に、「相続」とは法律に基づいて自動的に行われますが、遺言がある場合には、その内容が優先されるのが原則です。そのため、「誰にどの財産を渡したいか」「特定の人に多く残したい」といったご希望がある場合には、遺言書の作成が欠かせません。
一方で、遺言書がない場合には、民法で定められた「法定相続」のルールに従って相続が行われることになります。具体的には、配偶者や子ども、親、兄弟姉妹などの法定相続人が法律で決められた割合(法定相続分)に応じて財産を分けるのが原則です。実際には、相続人全員で「遺産分割協議」と呼ばれる話し合いを行い、誰がどの財産を取得するかを決めることになります。
この遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要となるため、意見がまとまらない場合にはトラブルに発展してしまうケースも少なくありません。その点、あらかじめ遺言書を作成しておくことで、財産の分け方を明確に示すことができ、相続手続きを円滑に進めることが期待できます。
また、遺言は、たとえば内縁の配偶者やお世話になった方など、法定相続人以外の方に財産を渡したい場合にも有効です。特に、近年は家族関係の多様化や単身世帯の増加に伴い、遺言書の重要性はますます高まっているといえるでしょう。
遺言書の種類
遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つの種類があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、違いを理解したうえで選択することが重要です。
以下の表に、それぞれの違いを整理しました。
| 種類 | 概要 | メリット | デメリット |
| 自筆証書遺言 | 遺言者が全文を自筆で作成する遺言 | 費用がかからず手軽に作成できる |
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| 公正証書遺言 | 公証役場で、公証人の関与により作成する遺言 |
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作成に費用と手間がかかる |
| 秘密証書遺言 | 内容を秘密にしたまま公証人に存在を証明してもらう遺言 | 内容を秘密にできる |
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このように、それぞれの遺言には特徴がありますが、「費用を抑えて手軽に作成したい場合は自筆証書遺言」「確実性や安全性を重視する場合は公正証書遺言」といった形で選ばれるケースが多いです。ただし、自筆証書遺言は手軽に作成できる反面、書き方を誤ると無効になるリスクがあるため、正しい知識に基づいて作成することが重要です。
本記事では、この中でも利用される機会の多い「自筆証書遺言」について、作成方法や注意点を中心に詳しく解説していきます。また、表中の「法務局保管制度」「家庭裁判所での検認」についても個別に詳しく解説していますので、遺言書の作成を検討している方の参考になれば幸いです。
自筆証書遺言の作成方法と記載すべき内容
自筆証書遺言は、比較的手軽に作成できる反面、法律で定められた形式を守らないと無効となるおそれがあります。そのため、正しい作成方法と記載内容を理解しておくことが非常に重要です。
作成方法
自筆証書遺言は、その名のとおり、遺言者が自ら手書きで作成する遺言書です。基本的なルールとしては、「本文を自書(手書き)すること」「日付を記載すること」「署名押印をすること」が求められます。
まず筆記用具についてですが、法律上は特に制限はなく、ボールペンや万年筆など消えない筆記具で作成するのが一般的です。鉛筆でも直ちに無効になるわけではありませんが、改ざんや消去のリスクがあるため、避けた方がよいでしょう。また、用紙についても特別な決まりはなく、便せんやコピー用紙などで作成が可能です。ただし、後から差し替えられないように、ページ番号を振るなどの工夫をしておくと安心です。
重要なのは「自書」の要件です。遺言の本文は、原則として遺言者本人が手書きで記載する必要があります。第三者が代筆した場合や、パソコンで作成した本文は無効となるため注意が必要です。
一方で、財産目録については例外があり、パソコンで作成したり、通帳のコピーや不動産の資料を添付することも認められています。この場合、各ページに署名押印を行う必要がある点がポイントです。
最後に、本文に署名と押印も必須です。押印は必ずしも実印である必要はなく、認印でも問題ありません。ただし、本人が作成したことを明確にするため、できるだけ実印を使用することが望ましいでしょう。
記載すべき内容
自筆証書遺言には、最低限として「誰に」「どの財産を」相続させるのかを明確に記載する必要があります。
具体的には、相続人の氏名や続柄を特定し、「長男〇〇に自宅不動産を相続させる」「預貯金は配偶者に相続させる」といった形で、財産の分け方を明確に記載します。財産の内容も、「〇〇銀行△△支店 普通預金口座」など、できるだけ特定できるように記載することが重要です。
また、相続人以外の人に財産を渡す場合は「遺贈」として記載する必要があります。この場合も、受贈者を特定できるように氏名や住所を明記しておくと安心です。
さらに、遺言執行者を指定しておくことも有効です。遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために手続きを行う人のことで、指定しておくことで相続手続きがスムーズに進みやすくなります。
加えて、「付言事項」として、家族へのメッセージや遺言の理由などを書き添えることもできます。法的な効力はありませんが、相続人同士のトラブルを防ぐうえで重要な役割を果たすことがあります。
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よくあるミス
自筆証書遺言では、内容の不備や記載内容の曖昧さによって無効となるケースが少なくありません。
よくあるミスとしてまず挙げられるのが、「日付の不備」です。「令和○年○月吉日」といった表現は日付が特定できないため、無効と判断される可能性があります。そのため、日付は「令和○年○月○日」のように、明確に記載しましょう。
次に、「本文をパソコンで作成してしまうケース」も注意が必要です。財産目録は例外として認められていますが、本文をパソコンで作成すると遺言自体が無効となるおそれがあります。
また、「財産の特定が不十分なケース」もよく見られます。例えば、複数の銀行口座を持つ方が「預金を妻と長男に相続させる」とだけ記載すると、どの口座を指すのか不明確となり、トラブルの原因となります。
さらに、「押印漏れ」や「署名の欠如」も重大なミスです。これらは形式要件に関わるため、欠けていると遺言そのものが無効になる可能性があります。
そのほかにも、相続人の一部しか記載していない、遺留分(=法律で特定の法定相続人に最低限認められている相続分)への配慮がないなど、トラブルにつながるケースも少なくありません。自筆証書遺言は手軽に作成できる反面、かえってトラブルを引き起こしてしまうこともあるため、不安がある場合には専門家に相談するとよいでしょう。
自筆証書遺言の保管方法
自筆証書遺言は、ご自宅で保管することもできますが、紛失や改ざん、相続人に見つけてもらえないといったリスクがあります。そのため、近年は法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用する方も増えています。
詳しくは後述しますが、遺言を自宅で保管をする場合は、相続開始後に家庭裁判所での検認が必要になります。一方、法務局保管制度を利用した場合には、検認が不要となるため、相続開始後の手続きを速やかに進められるという大きなメリットがあります。
また、せっかく遺言書を作成しても、家族がその存在を知らなければ、遺言の内容が実現されないおそれもあります。保管方法を考える際には、「安全に保管できるか」だけでなく、「相続開始後に発見されやすいか」「手続きが円滑に進むか」という視点も大切です。
自宅で保管する場合には、単に引き出しや金庫にしまうだけでなく、遺言書の存在や保管場所を家族の一部に伝えておくことが重要です。例えば、配偶者や信頼できる子どもに「遺言書は自宅の金庫に保管している」などと伝えておくことで、相続開始後に速やかに発見される可能性が高まります。
また、貸金庫を利用する方法もありますが、貸金庫は契約者が亡くなると開扉に制限がかかる場合があり、相続人全員の同意や手続きが必要になることもあるため、かえって発見や取り出しに時間がかかるケースもあります。
さらに、信頼できる知人や親族に預けるという方法も考えられますが、この場合には紛失や改ざんのリスクに加え、預けた相手が先に亡くなってしまう、または所在が分からなくなるといった別のリスクもあります。
このように、自宅保管や第三者保管にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、確実性や安全性を重視する場合には、法務局保管制度の利用も含めて検討することが望ましいといえるでしょう。
法務局保管制度とは
法務局保管制度とは、自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)で預かってもらえる制度です。法務局では、遺言書そのものに加え、画像データも保管されるため、紛失や改ざんのリスクを抑えやすくなります。詳しくは後述しますが、この第三者による改ざんを実質的に不可能とする仕組みが、「家庭裁判所での検認が不要になる」という最大のメリットを実現しています。
利用の流れとしては、まず自筆証書遺言を法務省の指定する様式(用紙サイズや余白に関するルール)に従って作成します。詳しいルールについては、法務省のホームページで公開されているので、事前に確認しておくと良いでしょう。
次に、保管申請を行う「遺言書保管所」を選びます。申請できる保管所はどこでもよいわけではなく、「遺言者の住所地」「遺言者の本籍地」「遺言者が所有する不動産の所在地」のいずれかを管轄する法務局の中から選ぶことになります。保管所を決めたら、事前予約を取ります。法務局での遺言書保管制度の手続は予約制となっており、予約なしでいきな手続きができるわけではありません。予約方法は、法務局手続案内予約サービスの専用サイトを利用する方法のほか、電話でも可能です。
予約日に法務局へ行く際は、遺言者本人が出頭しなければなりません。代理人による保管申請は認められていないため、この点は注意が必要です。当日に持参するものとしては、一般に、作成済みの遺言書、保管申請書(法務省のホームページからダウンロード可)、本人確認書類、手数料などです。法務局の窓口では、遺言書が規定の様式に適合しているかどうかの確認が行われ、問題がなければ遺言書の保管が開始されます。ただし、窓口の職員は遺言書の内容そのものについて相談に乗ってくれるわけではないため、「この書き方で法的に問題ないか」「内容が争いにならないか」といった点に不安がある場合には、事前に行政書士などの専門家へ相談しておくと安心です。
相続開始後には、相続人、受遺者、遺言執行者などの利害関係人が、法務局で各種手続きを行うことができます。主なものとしては、遺言書が保管されているかどうかを確認するための「遺言書保管事実証明書」の請求、遺言の内容を証明する「遺言書情報証明書」の交付請求、遺言書の閲覧請求などがあります。
このうち、遺言書情報証明書は、相続手続きの場面で非常に重要な役割を果たします。金融機関での口座解約や名義変更、不動産の相続登記などの場面で、遺言書の内容を証明する資料として利用されることがあります。
また、法務局保管制度には通知制度があるのも特徴です。遺言者があらかじめ指定した方に対して、死亡後に遺言書が保管されていることを知らせる「指定者通知」の仕組みがあります。さらに、相続人等の一人が遺言書情報証明書の交付を受けたり、遺言書を閲覧したりすると、他の相続人等に対して法務局から遺言書が保管されている旨の通知がされる仕組みもあります。これにより、遺言書の存在が特定の相続人のみに留められることを防ぎやすくなります。
家庭裁判所での「検認」とは
これまでにも少し触れてきましたが、自宅で保管していた自筆証書遺言と秘密証書遺言は、相続開始時に家庭裁判所での「検認」という手続きが必要になります。検認とは、遺言書の形状や加除訂正の状態、日付や署名の有無などを確認し、その時点での遺言書の内容・状態を明確にしておくための手続きです。
ここで注意しておきたいのは、検認は「遺言の有効・無効を判断する手続きではない」という点です。あくまで、後日の偽造や変造を防止するための証拠保全的な手続きであり、内容の適否や遺留分への配慮などについて裁判所が判断するものではありません。
なお、法務局の遺言書保管制度を利用して保管されていた自筆証書遺言や、公正証書遺言については、原本が公的機関で保管されており、偽造・変造が実質的に不可能であることから、検認は不要とされています。特に自筆証書遺言については、法務局で保管制度を利用することで検認手続きを省略できる点が大きなメリットといえるでしょう。
検認の申立ては、被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。申立ては、遺言書を保管している相続人や、遺言書を発見した人が行うのが一般的です。申立てを行うと、裁判所から検認期日が指定され、すべての相続人に対して検認を行う旨の通知が送られます。検認の当日は、申立人の出席が必須となりますが、その他の相続人の出席は任意となります。期日当日には、遺言書の開封および内容確認が行われ、その結果として検認済証明書が付されることになります。
申立ての際には、遺言書の原本に加えて、被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍謄本など、相続関係を確認するための書類が必要になります。これらの収集には一定の時間と手間がかかるため、相続が発生した場合には早めに準備を進めることが大切です。また、封がされている遺言書については、家庭裁判所で検認を受ける前に開封してはいけません。誤って検認を受ける前に開封してしまった場合、その遺言書の内容が直ちに無効となるわけではありませんが、5万円以下の過料に処される可能性がありますので注意が必要です。
検認が完了すると、遺言書には検認済証明書が付され、この状態で初めて不動産の名義変更や預貯金の解約といった具体的な相続手続きを進めることが可能になります。ただし、繰り返しになりますが、検認は遺言の有効性を保証するものではないため、内容に争いがある場合には、別途、遺言無効確認訴訟などで争われる可能性がある点にも留意が必要です。
このように、検認は自筆証書遺言を自宅で保管している場合に避けて通れない重要な手続きです。相続人の負担を考慮すると、あらかじめ法務局保管制度の利用を検討しておくことが後に大きなメリットとなるでしょう。
自筆証書遺言が適しているケースとは
自筆証書遺言は、費用を抑えながら比較的手軽に作成できる点が大きな特徴です。一方で、内容の不備による無効リスクや、内容の曖昧さからトラブルにつながる可能性もあるため、「どのようなケースに向いているか」「どのような場合は別の方式を検討すべきか」を見極めることが重要です。
まず、自筆証書遺言が適しているのは、相続関係が比較的シンプルなケースです。例えば、配偶者と子どもだけといった構成で、財産の内容も預貯金や自宅不動産など限られている場合には、遺言内容を明確に記載しやすく、自筆証書遺言でも十分に対応できることが多いです。
また、「まずは遺言を残しておきたい」という初期段階のニーズにも適しています。公正証書遺言に比べて費用や手続きの負担が小さいため、思い立ったタイミングで作成しやすく、将来的に内容を見直すことも比較的容易です。特に、法務局の保管制度を併用すれば、紛失や改ざんのリスクを抑えつつ、検認不要といったメリットも享受できます。
さらに、家族関係が円満で、遺言の内容について大きな争いが生じにくいと見込まれる場合も、自筆証書遺言は有効な選択肢となります。付言事項として思いを丁寧に伝えておくことで、相続人間の理解を得やすくなることもあります。
一方で、自筆証書遺言が適していないケース、すなわち公正証書遺言などを検討した方がよいケースもあります。
まず、相続人間で紛争が生じる可能性が高い場合です。例えば、再婚家庭で前婚の子と後婚の配偶者がいる場合や、相続人間の関係が良好でない場合には、遺言の有効性や解釈をめぐって争いになることがあります。このような場合には、公証人の関与により不備が生じにくい公正証書遺言の方が安全です。
また、財産の内容が複雑な場合も注意が必要です。不動産が複数ある、事業用資産が含まれる、株式や投資商品が多いといったケースでは、財産の特定や分配方法の設計が難しくなります。自筆証書遺言では記載ミスや不明確な表現が生じやすいため、専門家の関与を前提とした公正証書遺言の方が適していることが多いでしょう。
さらに、確実性を最優先したい場合も、公正証書遺言が有力な選択肢となります。自筆証書遺言は、たとえ法律上の形式を守って作成していても、後日無効を主張されるリスクを完全に排除することはできません。これに対して、公正証書遺言は公証人が作成に関与する極めて証拠力の高い文書のため、無効リスクが低く、原本も公証役場で保管されるため安心です。
このほか、高齢や病気などにより自書が難しい場合も、自筆証書遺言は現実的ではありません。このような場合には、公証人が関与する公正証書遺言であれば、口述によって作成することが可能です。
自筆証書遺言の作成にかかる費用
自筆証書遺言は、公正証書遺言と比べて費用を抑えられる点が大きな特徴です。ただし、完全に無料というわけではなく、保管制度の利用や証明書の取得、専門家への依頼などに応じて一定の費用が発生します。ここでは、主な費用について整理していきます。
証明書取得費用など
まず、自筆証書遺言を自宅で作成するだけであれば、紙や筆記用具などの実費程度で作成することができます。しかしながら、遺言書の内容を正確に作成・確認するために証明書を取得する場合や、法務局保管制度を利用する場合には、以下のような費用がかかります。
- 登記事項証明書(登記簿謄本):1通あたり600円。不動産を遺言で指定する場合には、所在地や地番・家屋番号などを正確に記載する必要があります。そのため、登記事項証明書を取得して、記載内容をそのまま反映させるのが確実です。
- 戸籍謄本(全部事項証明書):1通あたり450円。相続人を正確に把握するためには、戸籍謄本の取得が重要です。特に、相続関係を整理する段階では、被相続人の出生から死亡までの戸籍や、相続人全員の戸籍を収集する必要があり、合計で数千円〜1万円程度になることもあります(除籍・改製原戸籍は1通750円)。
- 法務局の遺言書保管制度の利用料:遺言書1通あたり3,900円
行政書士に依頼する場合の費用
自筆証書遺言はご自身で作成することも可能ですが、「内容に不備がないか不安」「トラブルにならない形で作成したい」といった場合には、行政書士に依頼するケースもあります。
行政書士に依頼する場合の費用は事務所ごとに異なりますが、一般的な目安としては以下のとおりです。
- 遺言書の原案作成:3〜10万円程度
- 財産調査や相続関係の整理を含む場合:5〜15万円程度
- 法務局保管制度の申請サポートを含む場合:追加で1〜3万円程度
これらはあくまで目安であり、財産の内容が複雑な場合や、不動産が多い場合、相続人関係の調査が必要な場合などには、さらに費用が上がることもあります。
行政書士に依頼するメリットとしては、法的に有効な形で遺言書を作成できるだけでなく、財産の特定方法や表現の工夫など、トラブルを防ぐためのアドバイスを受けられる点が挙げられます。また、付言事項の書き方についてもサポートを受けることで、相続人間の円満な解決につながるケースもあります。
自筆証書遺言は手軽に作成できる反面、ミスがあると無効になるリスクもあるため、「確実性」と「費用」のバランスを考えながら、専門家への依頼を検討することが重要です。
まとめ
自筆証書遺言は、費用を抑えながら比較的手軽に作成できる点が大きな魅力です。特に、相続関係がシンプルな場合や、まずは遺言を残しておきたいという段階では、有効な選択肢となります。
一方で、書き方を誤ると無効になるリスクがあるほか、内容の記載が不十分だと相続人間のトラブルにつながる可能性もあります。また、自宅保管の場合には検認手続きが必要となるなど、相続開始後の負担にも注意が必要です。
そのため、自筆証書遺言を活用する際には、正しい作成方法を理解したうえで、可能であれば法務局の保管制度を併用することが重要です。これにより、紛失や改ざんのリスクを抑えつつ、検認不要というメリットも得ることができます。
自筆証書遺言は「簡単に作れる」反面、「正しく作ること」が何より重要です。不安がある場合には、行政書士などの専門家に相談しながら進めることで、将来のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
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特定行政書士として、幅広い業界における法務支援やビジネスサポートに従事するとともに、業務指導者としても精力的に活動。企業法務や許認可手続きに関する専門知識を有し、ビジネスの実務面での支援を中心に展開しています。(登録番号:03312913)