自動車手続きのワンストップサービス(OSS)とは?利用方法や申請できる手続きの種類などを行政書士が徹底解説

自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)とは

自動車を新たに取得したり、住所を変更したりする際には、運輸支局での登録手続に加え、自動車税の申告、保管場所証明(いわゆる車庫証明)の取得など、複数の手続きを行う必要があります。従来は、それぞれの窓口を個別に回らなければならず、時間や手間がかかる点が大きな負担となっていました。

こうした煩雑な手続きを一括して行えるようにするために導入されたのが、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS:One Stop Service)です。OSSを利用することで、これまで書面で提出していた各種申請を、インターネット上でまとめて申請・届出できる仕組みが整えられています。国土交通省を中心に、警察庁や都道府県税事務所などが連携して運用しており、利用者の利便性向上を目的とした制度です。

OSSの大きな特徴は、単にオンライン申請ができるという点にとどまりません。複数の行政機関にまたがる手続きを、入力情報を共有しながら進められるため、記載内容の重複や記入ミスを減らしやすいというメリットもあります。

 

利用方法

OSSを利用するためには、まず専用のOSSポータルサイトにアクセスし、行いたい手続きを選択します。申請はすべてオンラインで進めるため、マイナンバーカードを読み取るためのスマートフォンまたはICカードリーダーなど、事前に準備が必要となる機器・環境がある点には注意が必要です。

実際の申請では、画面の案内に従って車両情報や申請内容を入力し、必要書類を電子データとして添付します。申請が完了すると、関係機関での審査が順次行われ、その進捗状況もオンライン上で確認できます。手続きの途中で追加資料の提出が求められる場合でも、窓口に出向くことなく対応できるのは、OSSならではの利点です。

ただし、すべての手続きが完全にオンラインで完結するわけではなく、ナンバープレートの交付や封印の取付といった現物対応が必要な場面も残っています。こうした場面では、後述する出張封印の制度を活用することで、運輸支局等へ車両を持ち込むことなく手続きを進められるケースもあります。そのため、OSSは「窓口に一切行かなくてよい制度」というよりも、行政手続きの大部分をオンライン化する仕組みとして理解しておくとよいでしょう。

 

軽自動車のOSSとは

OSSは、普通自動車だけでなく軽自動車でも利用できます。軽自動車の場合は、軽自動車検査協会が運用する軽自動車OSSのポータルサイトで手続きを行います。

軽自動車OSSは、普通自動車のOSSに比べて対応している手続きが少なく、新車購入時や継続車検時に必要な「検査申請・申告」「税金・手数料の納付」に限られます。名義変更や住所変更、車庫証明の申請などには対応していませんので、利用者は主に自動車販売店や整備工場となり、一般の方が利用することほぼないと言ってよいでしょう。

2026年現在、軽自動車のユーザーの方が名義変更や住所変更などの手続きを行いたい場合は、軽自動車検査協会や警察署(車庫証明が必要な場合)を訪れる必要があります。なお、これらの手続きについても行政書士が代理で行うことが可能ですので、平日の日中に時間が取れない方などは、お気軽にご相談ください。

 

OSSで申請できる手続きとは

ここでは、普通自動車に関するOSSで、オンライン申請が可能となっている手続きについて解説します。なお、軽自動車のOSSで対応している手続きについては、ひとつ前の項目で説明した通りです。

以下は、普通自動車のOSSで対応している主な手続きを表にまとめたものです。

手続きの名称 手続きの概要
新車新規登録 メーカーから新車を購入した際に行う手続き。通常は自動車販売店が手続きを行うため、一般のユーザーが利用することはほぼない。登録を受けていない車両は公道を走行することができない。
中古車新規登録 「一時抹消登録」を行った車両を再度使用するときに行う手続き。登録を受けていない車両は公道を走行することができない。
移転登録 売買や譲渡、相続等により所有者の変更を行う場合に行う手続き。
変更登録 引っ越し、結婚・離婚等により氏名・住所・使用の本拠の位置等に変更があった場合に行う手続き。
抹消登録 一時抹消登録 自動車の使用を一時中止する場合に行う手続き。車検証・ナンバープレートを返納するため、公道を走行することはできない。再度使用しようとするときには、「中古車新規登録」の手続きが必要。
永久抹消登録 自動車をリサイクル事業者に引渡し、適正に解体処分した場合に行う手続き。
移転一時抹消登録 所有者等の変更を行う「移転登録」と「一時抹消登録」を同時に行う手続き。
移転永久抹消登録 所有者等の変更を行う「移転登録」と「永久抹消登録」を同時に行う手続き。
変更一時抹消登録 住所等の変更を行う「変更登録」と「一時抹消登録」を同時に行う手続き。
継続検査 自動車検査証(車検証)の期限満了後も引き続き車両を使用する場合に行う手続き。通常は自動車整備工場が手続きを行うため、一般のユーザーが利用することはほぼない。

 

OSSとの組み合わせが効果的な「出張封印」とは

OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)は、申請や届出の大部分をオンラインで完結できる便利な制度ですが、ナンバープレートの交付や封印の取付といった「現物対応」まではオンライン化されていません。そのため、通常であれば、登録手続が完了した後に運輸支局等へ車両を持ち込み、窓口でナンバープレートの交換や封印作業を行う必要があります。

そこで、OSSと組み合わせることで高い効果を発揮するのが、行政書士による「出張封印です。出張封印とは、一定の研修を経て登録を受けた行政書士が、運輸支局長等から委託を受けて、運輸支局に代わって車両の所在地で封印の取付作業を行う制度をいいます。

出張封印を利用することで、OSSでオンライン申請を完了させた後、車両を移動させることなく、自宅や職場などでナンバープレートの交換と封印作業を行うことが可能になります。特に、管轄の運輸支局が遠方にある場合や、複数台の車両をまとめて登録・変更するケースでは、移動や待ち時間を大幅に削減できる点が大きなメリットです。

また、法人が多数の車両を管理している場合や、業務用車両で日常的に使用している車両については、運輸支局へ持ち込むこと自体が業務の支障となることも少なくありません。そのような場面でも、OSSによるオンライン申請と出張封印を組み合わせることで、登録手続から封印までを一連の流れとして効率的に完了させることができます。

このように、OSS申請と出張封印を合わせて利用することで、従来は避けられなかった「運輸支局へ行く手間」を最小限に抑え、時間的・物理的な負担を軽減することが可能となるのです。

 

OSSでの申請にかかる費用

OSSを利用するにあたって、従来の窓口申請と比較して特別な利用料がかかるわけではありませんが、申請内容に応じて一定の費用は発生します。

ここでは、法定費用と行政書士に依頼する場合の費用に分けて解説します。

 

法定費用など

OSSを利用して申請を行う場合でも、自動車登録や税申告に伴う法定費用の考え方は、従来の窓口申請と基本的に同じです。代表的なものとしては、まず登録手続きに係る登録手数料があり、移転登録(名義変更)の場合は1件あたり350円、変更登録(住所変更等)の場合は1件あたり500円かかります。また、抹消登録など、手数料が無料の手続きもあります。

加えて、保管場所証明(いわゆる車庫証明)を取得する場合には、警察署に納付する手数料が発生します。金額は都道府県によって異なりますが、申請手数料はおおむね2,000~2,500円程度となっています。

これらはいずれも、OSSを利用してオンラインで申請した場合であっても免除されるものではありません。

一方で、OSSは申請手続きを一本化する仕組みであるため、書類の提出漏れや二度手間を減らしやすく、結果として時間的・間接的なコストを抑えられるというメリットがあります。特に、複数の手続きを同時に行う場合には、その効果を実感しやすいでしょう。

 

行政書士に依頼する場合の費用

OSSを利用した申請は、添付書類の準備や操作環境の整備、入力項目の多さなどから、一般の方にとってはややハードルが高い面もあります。そのため、行政書士に申請手続きを依頼されるケースも少なくありません。

行政書士に依頼する場合の報酬の目安としては、名義変更や住所変更といった基本的な手続きであれば1万5千円~3万円程度が一般的です。手続きが通常よりも複雑なケースや、相続などでOSS申請を利用できない特殊なケースでは、それ以上となることもあります。なお、出張封印を利用する場合には、地域や移動距離にもよりますが、1万円前後の追加費用がかかるケースが多くあります。

手間や時間を削減し、効率的に手続きを進めたい方は、行政書士への相談も視野に入れてみると良いでしょう。

 

まとめ

自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)は、これまで運輸支局、警察署、都道府県税事務所など複数の窓口を回る必要のあった手続きを、オンライン上で一括して進められる制度です。新規登録や名義変更、住所変更など、日常的に発生しやすい手続きを効率化できる点は、利用者にとって大きなメリットといえるでしょう。

また、OSSの利便性を最大限に活かすには、出張封印と組み合わせて利用することが有効です。これにより、運輸支局へ車両を持ち込む手間を省き、登録から封印までを自宅にいながらにして完了させることが可能になります。手続きを効率的に進めたい場合には、行政書士に依頼し、OSSと出張封印を組み合わせて進めることも選択肢に入れてみてください。

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