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ナンバープレートの「封印」とは
ナンバープレートの「封印」とは、普通自動車の後部ナンバープレートの左側のボルトの頭の部分に取り付けられている金属製のキャップ状の部品を指します。普段あまり意識されることはありませんが、この封印は、ナンバープレートが正規の手続きを経て取り付けられたものであることを証明する重要な役割を担っています。これは道路運送車両法に基づく制度であり、第三者による不正なナンバープレートの付け替えや、登録内容と異なる車両の使用を防止するために設けられています。
具体的には、運輸支局などで登録手続きが完了した際に、職員が後部ナンバープレートのボルト部分に封印を専用の器具で圧着(かしめ)して取り付けます。いったん正規に取り付けられた封印は、再利用できない設計になっているため、取り外す場合は封印を破壊する形になります。
従来は、この封印作業を行うために、車両を運輸支局へ持ち込まなければなりませんでしたが、2005年頃から一定の要件を満たした行政書士が行う「出張封印」という制度が広く利用されるようになりました。これにより、必ずしも運輸支局まで車を持って行かなくても、自宅の駐車場などで封印の再取付けが可能となります。出張封印の仕組みやメリットについては、後述の項目で詳しく解説していきますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
なお、封印が必要となるのは普通自動車のみであり、軽自動車や二輪車にはこの制度はありません。そのため、軽自動車のナンバープレートには封印が付いておらず、比較的自由に取り外しが可能となっています。この違いは、普通自動車がより厳格な登録管理の対象とされていることによるものです。
また、封印が破損していたり、外れていたりする状態で公道を走行することは認められていません。そもそも、道路運送車両法では、整備などで必要な場合を除いて封印を取り外すこと自体が禁止されており、これに違反した場合は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金といった罰則の対象となり得ます。「見た目が気に入らない」などの理由で、気軽に封印を外してしまわないように注意しましょう。
ナンバープレートの変更が必要なシーン
ナンバープレートの変更は、車を所有していると意外に多くの場面で必要になります。ここでは、代表的なナンバープレート変更が必要となるシーンについて解説します。
まず最も多いのが、引っ越しにより使用の本拠の位置が変わった場合で、住所地を管轄する運輸支局が変わると、ナンバープレートも変更する必要があります。それほど多くはありませんが、北海道や東北地方を中心に、同一の「郡」内で運輸支局の管轄が異なるケースもあるため、注意が必要です。
次に、車を売買・譲渡した場合(名義変更)も、ナンバープレート変更が必要になることがあります。新しい所有者(使用者)の住所が現行ナンバーの管轄区域外であれば、新しい管轄に合わせたナンバープレートへ変更し、あわせて封印の再取付け(いわゆる再封印)が求められます。相続による名義変更であっても、相続人の住所が異なれば同様です。
また、希望ナンバーや図柄入りナンバー(いわゆる”ご当地ナンバー”など)への変更もナンバープレートを付け替える代表的なケースです。数字を任意で選びたい場合や、番号はそのままでデザインを変更したい場合には、現在のナンバープレートを返納し、新たなプレートを取り付ける必要があります。この場合も普通自動車では、ナンバープレート交換後に再封印が行われます。このほか、事業用から自家用への区分変更など、登録内容の変更に伴ってナンバープレートを付け替えるケースもあります。
さらに、ナンバープレートの破損・汚損・紛失が生じた場合も変更が必要です。事故や経年劣化により文字が判別しにくくなった場合や、盗難に遭った場合には、速やかに再交付の手続きを行わなければなりません。後部ナンバープレートを再交付する場合は、やはり封印の再取付け、すなわち再封印が必要となります。
このように、ナンバープレート変更の多くの場面では「再封印」がセットで必要になります。次の項目では、こうした再封印を運輸支局に車を持ち込まずに行える行政書士による「出張封印」について、制度の概要や仕組みを詳しく解説していきます。
行政書士による「出張封印」とは
先述の通り、行政書士による「出張封印」とは、登録を受けた行政書士が利用者の自宅や職場などでナンバープレートに封印を取り付ける制度です。運輸支局へ車両を持ち込む必要がないため、名義変更や住所変更に伴うナンバープレート変更を、平日の日中に時間を取らずに完了できる点が最大のメリットといえます。
ちなみに、出張封印にも関連する移転登録(名義変更)や変更登録といった自動車関連の官公署提出書類の作成・提出代行は、行政書士の独占業務です。そのため、無資格者が報酬を得てこれらの手続きを行うことは違法となるおそれがあります。また、出張封印については、すべての行政書士が行えるわけではなく、国土交通省の制度に基づき所定の研修を修了し、各運輸支局に「封印取付受託者」として登録された行政書士のみが実施できます。
一方、出張封印を利用しない場合には、利用者自身が車両を運輸支局へ持ち込み、受付や待ち時間を含めて手続きを行わなければならず、地域や混雑状況によっては完了までに半日以上を要することも珍しくありません。車を自由に動かせない事情がある場合や、管轄の運輸支局が遠方にある場合には、時間や労力の点で大きな負担となることもあります。出張封印は、行政書士の専門性を活用し、利用者の利便性を最大限に高めるための制度と言えるでしょう。
ナンバープレートの変更にかかる費用
ナンバープレートの変更にあたっては、国に納める法定費用のほか、行政書士に手続きを依頼する場合には別途報酬が発生します。どこまでを自分で行い、どこからを専門家に任せるかによって、負担する費用や手間は大きく変わってきます。
法定費用など
法定費用として代表的なものがナンバープレート代で、地域により多少の差はありますが、通常のナンバープレートであれば2,000円前後が目安となります。これに対し、希望ナンバーを選択する場合には予約手数料を含めて4,000~5,000円程度、図柄入りナンバープレートを選択する場合には、図柄の種類にもよりますが7,000~10,000円程度が一般的な相場です。
また、住所変更や名義変更(移転登録)に伴う登録手数料として、運輸支局に納める登録印紙代が350~500円程度必要になります。
ナンバープレート自体は変更せず、封印の破損や脱落などを理由として再封印のみを行う場合は、封印本体の金具の購入費用のみの数百円程度で行うことができます。
行政書士に依頼する場合の費用
ナンバープレート変更を行政書士に依頼した場合には、法定費用に加えて行政書士報酬が発生します。報酬額は依頼内容や地域によって差がありますが、名義変更(移転登録)や住所変更などの登録手続き一式で1.5~3万円程度が一般的な相場です。さらに、出張封印を利用する場合には、封印作業に関する費用や出張費が1万円程度加算されることがあります。
もっとも、行政書士に依頼することで、書類作成から申請、ナンバープレートの交換、再封印までを一括して任せることができ、平日に運輸支局へ出向く必要がなくなります。仕事や家庭の都合で時間を確保しにくい方にとっては、時間と労力を節約するためのコストと捉えることができるでしょう。
まとめ
ナンバープレートの変更は、引っ越しや名義変更といった身近な場面で必要になる一方、実際の手続きは管轄の運輸支局の確認や書類準備、封印の取付けなど、初めての方には分かりづらい点が多いのも事実です。
こうした負担を軽減できるのが、行政書士による出張封印制度です。平日の日中に運輸支局へ車を持ち込む必要がなく、名義変更や住所変更といった登録手続きから再封印までを一括して任せられる点は、大きなメリットといえるでしょう。
また、自動車関連の登録手続きは行政書士の独占業務であり、制度や法令を正しく理解した専門家に依頼することで、手続きミスを避けることにもつながります。忙しい方やスムーズに手続きを進めたい方にとっては、行政書士への依頼は有効な選択肢となるでしょう。
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特定行政書士として、幅広い業界における法務支援やビジネスサポートに従事するとともに、業務指導者としても精力的に活動。企業法務や許認可手続きに関する専門知識を有し、ビジネスの実務面での支援を中心に展開しています。(登録番号:03312913)