建設業を営む企業は、事業年度が終了するごとに「変更届出」を提出する義務があります。この手続きは、事業年度終了後の経営状況や組織の変更を行政に報告し、適正な運営が行われているかを確認するために必要です。適切な変更届出を行うことで、建設業許可の更新や継続がスムーズに進み、法的なトラブルを未然に防ぐことができます。
手続きの目的
建設業変更届出(事業年度終了)の目的は、事業年度ごとの経営内容や変更事項を都道府県知事または国土交通大臣に報告することで、企業の経営状況が適正であるかを確認するためです。これにより、事業継続に必要な許可の適正性が保たれ、企業は建設業法に基づいた事業運営を行うことができます。適切な届出を行わないと、行政からの指導や許可の取り消しのリスクが発生します。
申請先
建設業の変更届出は、許可を受けた機関に提出する必要があります。申請先は、以下の2つに分かれます。
- 国土交通大臣許可(複数の都道府県にまたがる事業を行う場合)
国土交通大臣の許可を受けた場合は、国土交通省の管轄に届出を行います。 - 都道府県知事許可(単一の都道府県内で事業を行う場合)
都道府県知事の許可を受けた場合は、事業所が所在する都道府県の建設業課などの担当部署に届出を行います。
大臣許可と都道府県知事許可の違い
- 国土交通大臣許可
複数の都道府県にまたがって建設業を営む場合は、国土交通大臣の許可が必要です。これにより、全国規模での活動が認められます。 - 都道府県知事許可
1つの都道府県内でのみ事業を行う場合は、都道府県知事の許可を取得します。この場合、許可の範囲はその都道府県内に限定されます。
必要書類
建設業変更届出(事業年度終了)を行う際には、以下の書類が必要です。これらの書類は、企業の経営状況や組織の変更内容を明確に示すもので、正確な記載が求められます。
- 変更届出書
基本的な変更事項(住所や代表者、役員の変更など)を記載した書類です。事業年度終了後の企業の組織変更や経営内容を報告します。 - 決算報告書
事業年度終了時点での経営状況を示す損益計算書や貸借対照表が含まれます。これにより、企業の財務状況や収支が確認され、許可の適正性が評価されます。 - 工事経歴書
事業年度内に完了した工事の詳細を記載した書類です。工事の規模や内容、受注先などを明示し、企業の実績を示すために重要です。 - 直前3年の施工金額の内訳書
事業年度内に行われた工事の総施工金額を記載し、その内訳を明確にします。これにより、施工実績と経営状況の関係性が確認されます。 - 使用人数表
事業年度終了時点での従業員数や役員の数を示す書類です。これにより、企業の人材状況や組織体制が把握されます。 - 納税証明書
事業年度内に支払われた税金の証明書です。税務に関して適切に処理されていることを確認するために必要です。
行政書士に依頼するメリット
建設業変更届出(事業年度終了)には、正確な書類の作成と提出が求められます。行政書士に依頼することで、書類の不備や申請漏れを防ぎ、スムーズに手続きを進めることが可能です。また、行政書士は法的な知識を持ち、変更届出に関する最新の法令に基づいた適切なアドバイスを提供できるため、リスクを最小限に抑えながら申請を進めることができます。これにより、企業は安心して事業を継続できるメリットがあります。