車庫証明とは?制度の概要から取得方法、代行費用まで行政書士が徹底解説

車庫証明とは

一般に「車庫証明」と呼ばれる書類の正式名称は、自動車保管場所証明です。自動車を使用するためには、その車両を適切に保管できる場所をあらかじめ確保しておく必要があり、その事実を公的に証明する仕組みとして設けられています。道路交通や都市環境を支える重要な制度の一つといえるでしょう。

この制度の目的は明確で、自動車が路上にあふれることを防ぎ、道路を本来の交通機能に専念させることにあります。自宅や事業所の周辺に無秩序に車両が駐車されると、渋滞や事故の原因となるだけでなく、緊急車両の通行を妨げるおそれもあります。車庫証明制度は、こうした問題を未然に防ぐため、「自動車は必ず自分で確保した保管場所に置く」という原則を法的に担保する役割を果たしています。

根拠となる法律は、昭和37年に制定された「自動車の保管場所の確保等に関する法律」です。この法律に基づき、普通自動車については、保管場所を確保していることを証明する書類の提出が求められます。制度自体は1960年代から運用されており、高度経済成長期以降に急増した自動車保有台数に対応するための社会的インフラとして定着してきました。

一方で、軽自動車については、全国一律で車庫証明が必要とされているわけではありません。人口密度や道路事情を踏まえ、地域ごとに取り扱いが異なり、都市部など一部の地域では「保管場所届出」が必要となる一方、地方部では不要とされているケースもあります。

 

車庫証明が必要になる場面

車庫証明は、すべての自動車手続で常に求められるわけではなく、一定の場面に限って必要となる制度です。

まず代表的なのが、新車や中古車を購入した際の新規登録時です。自動車を新たに取得し、初めて登録を行う場合には、その車両を保管する場所を確保していることを証明する必要があり、普通自動車の場合は必ず車庫証明の提出が求められます。これは新車・中古車を問わず共通しており、購入形態に関係なく必要となる点が特徴です。

次に、売買や譲渡、相続等に伴う移転登録(名義変更)の場合です。他人から車を譲り受けたり、売買によって所有者が変わったりする際には、新たな使用者の保管場所を確認する必要があるため、車庫証明が必要となります。ただし、家族間での譲渡などで使用の本拠の位置に変更がなく、住所変更も伴わない場合には、車庫証明の提出が不要とされるケースもあります。

さらに、引っ越しに伴う住所変更も、車庫証明が必要となる典型的な場面の一つです。使用者の住所が変われば、車両の保管場所も変更されるのが通常であるため、新しい住所地で保管場所を確保していることを改めて証明する必要があります。引越し後に住所の変更登録を行う際には、車庫証明の取得が前提となることを理解しておくとよいでしょう。

なお、新車や中古車を購入する際の車庫証明取得について、実際の現場では、自動車販売店が行政書士に手続きを委託しているケースがほとんどです。購入者本人が警察署へ出向いて申請することは比較的少なく、販売店側で登録手続き全体をまとめて進める中で、購入費用の中に車庫証明の取得費用も含まれるのが一般的となっています。

 

車庫証明の取得場所と費用

車庫証明は、運輸支局や市区町村役場で取得するものではなく、地域の警察署で申請・取得します。具体的には、車を保管する場所(自宅や月極駐車場など)の所在地を管轄する警察署が申請先となり、住民票上の住所とは必ずしも一致しません。

申請にあたっては、申請書類一式を警察署の窓口へ提出し、現地調査などを経たうえで証明書が交付されます。審査期間は地域によって多少異なりますが、概ね3日から7日程度を要するのが一般的です。

次に費用面ですが、車庫証明の取得にかかる手数料は、おおむね2,000~2,500円程度が目安となります。これは都道府県ごとに条例で定められているため、地域によって若干の差がありますが、全国的に見ればこの範囲に収まるケースがほとんどです。

なお、以前は車庫証明を取得する際に、「保管場所標章(いわゆるステッカー)」の交付手数料として、別途500~600円程度の費用が必要でした。この標章は、車両のリアガラスに貼付し、保管場所を証明する役割を果たしていましたが、制度の見直しにより、令和7年4月1日をもって全国一律で廃止されています。標章の廃止に伴い、現在ではこの交付手数料が不要となり、車庫証明にかかる実費負担は従来よりも軽減されています。

 

OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)での車庫証明申請とは

車庫証明を取得する際に知っておきたいのが、「自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)」の仕組みです。OSSとは、これまで運輸支局、警察署、都道府県税事務所などで個別に行っていた自動車に関する手続きを、インターネット上で一括して申請・届出できるようにした制度で、利用者の利便性向上と行政手続の効率化を目的として運用されています。

ただし、OSSはあくまで自動車の新規登録、名義変更、住所変更といった自動車登録手続を中心に、関連する手続きを一括して行うためのオンラインシステムです。そのため、車庫証明のみを取得したい場合には、OSSを利用することはできず、従来どおり警察署での書面申請が必要となります。

一方で、引っ越しに伴う住所変更や、売買による名義変更など、自動車登録手続の一環として車庫証明が必要になる場合には、OSSを利用することでオンライン申請が可能となります。OSSでは、運輸支局への登録申請とあわせて、警察署への車庫証明申請情報を連携させて送信できるため、運輸支局や警察署の窓口を個別に回る必要がありません。

ただし、OSSの利用には、マイナンバーカードを読み取るためのスマートフォンもしくはICカードリーダーの準備に加え、パソコンの操作環境の整備など、一定の事前準備が必要です。また、すべてのケースでOSSが利用できるわけではなく、手続の内容によっては従来どおり運輸支局や警察署での申請が必要となる場合もあります。

なお、OSS申請は「自動車保有関係手続のワンストップサービス」のポータルサイトで利用することができます。

 

車庫証明の取得における行政書士の役割

車庫証明の申請代行は、法的には「官公署に提出する書類の作成および提出を代理する業務」に該当します。この業務は、行政書士法により、行政書士または行政書士法人のみが業として行うことができる独占業務とされています。

そのため、たとえ自動車販売会社やディーラーであっても、車庫証明の申請書類を作成し、申請者に代わって警察署へ提出する行為を、報酬を得て業として行うことはできません。販売店が行えるのは、あくまで申請に必要な情報の案内や書類の受け取りといった補助的な行為にとどまり、代理申請そのものを担うことは法律上認められていません。

実際の現場では、自動車販売会社が車庫証明手続きを行政書士に委託し、行政書士が申請者の代理人として申請を行う形が一般的となっています。行政書士は、申請書類の作成だけでなく、配置図・所在図の作成、管轄警察署の確認、補正対応まで一貫して対応できるため、手続きを確実かつ円滑に進める役割を担っています。

なお、行政書士に車庫証明の代理申請を依頼する場合の費用は、一般的には5,000~10,000円程度が目安とされています。これに加えて、警察署へ納付する申請手数料(2,000~2,500円程度)が別途必要となります。また、現地調査・確認を要するケースでは、出張費用などの追加費用が発生することもあります。

 

まとめ

車庫証明は、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」に基づく制度であり、自動車を適切に保管できる場所を確保していることを公に証明するための重要な手続です。新車や中古車の購入時、売買や譲渡に伴う名義変更、引っ越しによる住所変更など、日常生活のさまざまな場面で関係してきます。

車庫証明の申請手続に不安がある場合や、平日の日中に警察所へ行くのが難しい場合は、ぜひ行政書士への依頼をご検討ください。

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