終活において行政書士に依頼できる内容や費用相場を徹底解説!

終活とは

終活とは、人生の最終段階に向けて、自分の情報・財産・意思を整理しておくための取り組みを指します。ここ数年で関心が急速に高まり、内閣府の平成30年高齢社会白書によれば、60歳以上の約4割が何らかの形で終活に取り組んでいるというデータがあります。また、民間の調査では、40代・50代の約6割が「終活に興味がある」と回答しており、終活は高齢者だけのものではなく、幅広い世代のライフプランとして定着しつつあります。

終活が注目される背景には、単身世帯の増加や、相続手続きの複雑化があります。総務省の国勢調査では、日本の単身世帯は全世帯の38%を占め、過去最多となっています。単身世帯が増えることで、身近な家族が少ないまま亡くなるケースも増加し、「自分の情報や希望を整理しておかないと、後の手続きが滞る」という不安から、終活の需要が高まっているのです。

終活の中心となるのは、財産や契約内容の整理、医療・介護に関する意思表示、葬儀やお墓の希望、そして死後の事務についての準備です。特に財産に関しては、銀行口座・証券・保険・不動産などが複雑に分散していることが多く、遺族が発見できない「隠れ資産」も問題視されています。実際に金融広報中央委員会の調査では、家族が故人の財産の全容を把握できていなかったケースが3割以上にのぼると報告されています。

さらに、医療や介護の意思表示を文書化することも重要です。厚生労働省の「人生会議(ACP)に関する調査」では、延命治療の希望を家族と話し合っていない人が7割に達しており、本人の意思が不明確なまま判断を迫られる家族が多いことがわかっています。このような状況を避けるためにも、終活は“自分のため”だけでなく“家族の負担を軽減するための準備”として大きな役割を果たします。

終活の一環である遺言書の作成、任意後見契約、死後事務委任契約などは、法律や制度に関連する部分が多いため、行政書士などの専門家と連携することで、より確実に準備を行うことが可能になります。行政書士は、終活に関するさまざまな書類作成や契約の支援を行えるため、「自分の意思を形にしたい」「家族に迷惑をかけたくない」と考える方にとって心強い存在と言えるでしょう。

 

行政書士に依頼できる「終活」の内容

終活では、様々な制度に関わる文書の作成が発生する場面があり、行政書士は専門家としてそれらの文書の作成に関わることができます。ここでは、行政書士が実際に対応できる終活関連の手続きや書類について具体的に解説します。

 

推定相続人の調査

推定相続人の調査は、終活において最も基礎となる大切な手続きのひとつです。万が一、相続人を正確に把握できていない状態で遺言書を作成すると、法定相続人が想定外に存在した場合に遺言が実質的に機能しないことがあります。行政書士は、市区町村役場で戸籍・除籍・改製原戸籍等を収集し、出生から現在までの家族関係を時系列で確認していきます。特に、再婚・認知・養子縁組・前妻や前夫との子がいる場合などは、戸籍の取得が複雑化しやすく、漏れのない調査が重要です。

ただし、相続発生前(本人が亡くなる前)の段階では、傍系親族(兄弟姉妹・甥姪など)に関する調査には制約があります。直系親族(子・孫・親・祖父母等)の戸籍については、相続発生の有無にかかわらず本人の意思でいつでも取得できますが、傍系親族の戸籍は、「相続発生後の相続人確定のため」などの正当な理由がなければ取得できません。そのため、兄弟姉妹が結婚して別戸籍となっている場合などは、相続発生前に正確な続柄や存否を確認することが極めて困難となります。特に、本人に子どもがおらず「兄弟姉妹が相続人となるケース」や「甥姪が代襲相続人となる可能性があるケース」では、推定相続人の協力がなければ事前調査に限界があることを理解しておく必要があります。

 

財産目録の作成

財産目録は、本人の財産状況を一覧で把握できる状態にするための資料です。近年ではネット銀行・ネット証券・暗号資産など財産が多様化しており、家族がその存在に気づかないケースも多発していることから、生前に全ての財産を抜け漏れなく明示しておくことが重要です。

行政書士は、預貯金通帳・固定資産税課税明細書・保険証券・証券残高報告書・借入金の契約書などを確認し、必要に応じてヒアリングを行いながら、財産・負債を漏れなく整理します。また、財産の種類ごとに相続手続き(名義変更・解約・払い戻し等)が大きく異なるため、「どの財産をどのように扱うべきか」を分類・整理します。これにより、遺言作成のためだけでなく、相続発生後に家族が行う手続きの効率化にもつながります。

 

遺言書の草案の作成・作成指導

遺言書は、終活の中心となる「最も重要な意思表示」といえます。しかし、遺言書の文言や書式の不備によって無効になる事例も少なくありません。行政書士は、依頼者の家族関係・財産状況・希望を丁寧にヒアリングした上で、法的要件を満たした遺言書の草案を作成します。

自筆証書遺言の場合は、日付・署名押印の記載場所、財産の記載方法などをアドバイスします。また、公正証書遺言を選択する場合は、公証人との事前打ち合わせや必要書類(戸籍、印鑑証明書、不動産登記事項証明書など)の整理をサポートすることができます。

 

エンディングノートの作成指導

エンディングノートは法的効力こそありませんが、残された家族の負担を軽減するための手段として近年注目が集まり、活用する方が増えています。一般的には、「財産のこと」「医療・介護の希望」「葬儀・お墓に関する希望」「親しい人たちの連絡先」「契約中のサービス一覧(光熱費、インターネット、クレジットカード、サブスク等)」「ペットのお世話に関する希望」「SNSアカウントの扱い」などを記載します。

行政書士は、依頼者の価値観や生活状況を聞き取りながら、項目の優先順位や書き方のポイントをアドバイスし、ノートの内容が残された家族にとって有益なものとなるようサポートを行うことができます。

 

死後事務委任契約の原案作成

死後事務委任契約は、生前のうちに「自分が亡くなった後の事務手続きを信頼できる方に任せておく契約」です。葬儀・納骨・役所への死亡届・年金の停止手続き・公共料金の清算・病院の退院手続き・遺品整理の一部などを包括的に委任できます。“立つ鳥跡を濁さず”という言葉のように、特に単身世帯や家族と疎遠になってしまっている方にとって、最後に負担を残さないための仕組みとして非常に効果的で、終活の中でも重要性が高まっています。

行政書士は、依頼者の希望を聞き取り、必要な事務内容を整理し、契約書案を作成します。また、実際の契約締結は公正証書で行われることが一般的なため、公証人との調整や必要書類の準備も支援することができます。

 

任意後見契約の原案作成

近年は高齢化の進行や単身世帯の増加により、判断能力が低下したときの備えとして「任意後見契約」や、日常生活を支える「見守り契約・財産管理契約」への関心が高まっています。将来への不安を軽減し、安心して生活を続けるための仕組みとして、これらの契約は終活において非常に重要な位置づけとなっています。

行政書士は、依頼者の現在の生活状況や不安点を聞き取り、以下のような契約の中から最適な組み合わせを提案します。一般的には、見守り契約・財産管理契約で現在の生活を支え、判断力が低下した時に備えて任意後見契約を合わせて締結するケースが一般的です。

  • 見守り契約:判断能力が十分にある段階で、定期的に訪問や連絡を行い、生活状況を見守る契約です。財産管理には介入せず、“見守り”に特化しています。
  • 日常の財産管理契約:判断能力がまだ保たれているものの、日常的な支払い手続き等が負担になってきた場合に、預貯金の管理や公共料金の支払い、書類整理などを依頼する契約です。
  • 任意後見契約:将来、判断能力が低下したときに、家庭裁判所に任意後見監督人が選任されることで効力が発生する契約です。任意後見契約は公正証書での作成が必須ですが、行政書士は契約書案の作成や、公証役場での手続きに必要な資料の準備までサポートすることができます。

 

尊厳死宣言の公正証書作成支援

尊厳死宣言(リビングウィル)は、「自分がどのような最期を迎えたいのか」を明確に示すための重要な意思表示です。特に、終末期医療における判断は、患者本人が意思を伝えられない状態になると、家族が大きな精神的負担を抱えることになります。実際、厚生労働省の調査では「延命治療の希望を家族と話し合ったことがない」と回答した人が7割を超えており、多くの家庭で判断が難航している実態があります。

尊厳死宣言を文書化しておくことで、延命治療を希望するかどうか、人工呼吸器・心肺蘇生・経管栄養などの医療行為をどの程度受けたいのかを明確にでき、医療現場や家族が本人の意思に沿って判断することが可能になります。このように、尊厳死宣言は命に係わる重要な意思表明となるため、確実に本人の意思に基づいて作成したことを証明するために公正証書として作成することが強く推奨されます。

行政書士は、尊厳死宣言を作成する際に、医療・介護の希望のヒアリングをし、文書内容の整理・提案を行います。さらに、公証役場との事前調整や、家族に対して作成後の活用に関するアドバイスなども行うことができます。

 

行政書士以外の専門家に相談すべきケース

終活では行政書士が対応できる範囲が広い一方で、より専門的な判断や法的手続きが必要となる場面では、他士業への相談が不可欠です。ここでは、税理士・司法書士・弁護士へ相談すべき代表的なケースを詳しく解説します。

 

相続税の節税等の相談

相続税の計算や節税対策は、税務の高度な専門知識が必要となる分野です。

相続税の申告には、財産評価(不動産の路線価評価、非上場株式の評価など)や適用できる控除・特例の判断が求められますが、これらは税理士法に基づき、税理士のみが専門的に扱える業務とされています。例えば、生前贈与を活用した相続税対策、配偶者控除や小規模宅地の特例の可否判断、贈与税とのバランスを考慮した資産移転などは、税理士の専門領域です。

終活の段階で節税を意識する場合は、行政書士が財産整理をサポートしつつ、税理士と連携して対策を行うことが重要です。

 

不動産の所有権移転等に関する相談

不動産の所有権移転登記、名義変更、抵当権抹消などの登記業務は、司法書士の独占業務として法律で定められています。行政書士は不動産の調査や書類作成の支援はできますが、登記申請そのものを代理することはできません。

そのため、相続に備えて不動産の名義を整理したい場合などは、司法書士との連携が不可欠です。また、相続後に必要となる相続登記は、令和6年4月から義務化されたため、終活段階から不動産の扱いを明確にしておくことがより重要になっています。

 

相続人間での争いが予想される場合

相続を巡って争いが発生した場合、各相続人の主張の整理が必要となるため、弁護士による法的助言や代理交渉が必要になることがあります。

行政書士は紛争性のある案件について、代理交渉や調停・訴訟対応を行うことが法律上できないため(非弁行為の禁止)、「特定の相続人が遺言内容へ異議を唱える可能性がある」「遺留分侵害額請求が想定される」「生前贈与を巡って不公平感が生じている」などの場合は、早い段階で弁護士への相談が望まれます。行政書士は、紛争が顕在化する前の事務サポートはできますが、争いが発生する可能性が高い場合には弁護士への橋渡しが重要になります。

 

行政書士に依頼する際の費用の目安

ここでは、終活で行政書士を利用する際の費用の目安をご紹介します。これらの費用はあくまで一般的な相場であり、作業量や事案の複雑さ、面談回数などにより上下します。特に「財産目録」や「遺言書の草案作成」は、資料の量や内容により大きく変わる傾向があります。

項目 費用の目安(税別) 内容の概要
推定相続人の調査 3〜7万円程度 戸籍・除籍・改製原戸籍の収集、相続関係説明図の作成。家族関係が複雑な場合は追加費用あり。
財産目録の作成 5〜50万円程度
※遺産の総額等によって大きく変動
預貯金、不動産、保険、証券、負債などの財産情報を整理し一覧化。作業量により費用は変動。
遺言書の草案の作成・作成指導 5〜50万円程度
※相続人の数や遺産の総額等によって大きく変動
ヒアリング、遺言内容整理、草案作成、自筆証書遺言の作成指導。公正証書遺言の場合は別途支援費用が発生する場合も。
エンディングノートの作成指導 2〜6万円程度 医療・介護の希望、葬儀・お墓、友人の連絡先等の項目整理と書き方アドバイス。面談回数により変動するのが一般的。
死後事務委任契約の原案作成 7〜15万円程度 葬儀・納骨・役所での手続きなどの委任内容整理と契約原案作成。公正証書化支援は別途費用が必要な場合も。
任意後見契約の原案作成 6〜20万円程度 見守り契約・財産管理契約との組み合わせ提案、契約書案の作成、公正証書化の支援等。

 

まとめ

終活は、「自分らしい最期の迎え方」と「家族への負担軽減」を実現するための大切な準備です。財産の整理や医療・介護の意思表示、死後の事務手続き、さらには判断能力の低下に備えた契約など、幅広い分野が関わるため、一人で進めようとすると時間も労力もかかります。

行政書士は、終活に必要な書類作成を幅広くサポートできる専門家です。終活における「情報整理」と「意思の可視化」を専門的に手伝うことで、安心して人生の後半を過ごせる環境づくりを支援します。

終活は、思い立ったときが始めどきです。小さな整理からでも始めることで、ご自身の不安が軽くなり、家族にとっても大きな安心につながります。専門家をうまく活用しながら、ご自身に合ったペースで終活を進めていきましょう。

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