【行政書士監修】屋外広告物とは?許可が必要な理由・申請方法・費用まで徹底解説

屋外広告物とは?

そもそも屋外広告物ってどんなもの?

屋外広告物とは、建物の壁や屋上、道路沿いに設置される看板やネオンサイン、のぼり旗など、外から見える場所に一定期間設置されている広告物のことを指します。たとえば、店舗の壁面看板やファサードサイン、駐車場の案内看板、自立型の電飾看板なども含まれます。

なぜ設置に許可が必要なの?

「看板を設置するだけなのに、どうして許可が必要なの?」と思われる方も多いかもしれません。実は、屋外広告物には「屋外広告物法」という法律が関わっており、無秩序な広告設置を防ぎ、景観や公共の安全を守るために許可制が導入されています。

たとえば、強風で看板が落下する事故や、景観を著しく損なうような大型広告が乱立することを防ぐ目的があります。特に、道路沿いや人通りの多いエリアでは、周囲の美観や通行人の安全に配慮した設置が求められるため、事前に行政からの許可を受ける必要があるのです。

許可が必要なケース・不要なケースの違いは?

屋外広告物の許可が必要となるのは、「屋外に設置され、不特定多数の人の目に触れる広告物」である場合です。具体例として、店舗の突出し看板、屋上広告塔、街路沿いの立て看板などが挙げられます。

一方で、屋内に掲示されるポスターや、ショーウィンドウ内のPOP広告などは対象外で、許可を取る必要はありません。また、自治体によっては「一定の大きさ以下の広告物は許可不要」とされていることもありますので、広告を設置する前に、所在地の条例をしっかり確認することが大切です。

 

屋外広告物の許可申請の流れと必要書類

申請から設置までの基本的なステップ

屋外広告物を設置するには、事前に自治体の許可を取得する必要があります。

おおまかな流れは次のとおりです。

事前相談 → 書類準備 → 窓口へ申請 → 審査 → 許可証交付 → 設置工事

まずは、設置予定地を管轄する自治体窓口に相談することから始めましょう。看板の大きさや高さ、デザイン、設置場所の状況などが地元の条例に適合しているかを事前に確認しておくと、申請後のトラブルや修正の手間を減らせます。

申請先と窓口の確認

申請先は、広告物を設置する場所を管轄する都道府県または市区町村の担当窓口です。例えば、東京都23区内であれば各区役所の都市計画課、地方自治体では県の土木事務所などが対応窓口になるケースもあります。

なお、自治体によっては申請先が異なる場合があるため、事前に「どこに出すか」を確認しておくことが大切です。

提出書類と図面・写真の準備

申請時に提出する主な書類は以下のとおりです:

  • 屋外広告物許可申請書
  • 付近見取図(設置場所の周辺地図)
  • 現況写真(設置予定箇所・周辺の状況が分かるもの)
  • 広告物の図面(立面図・平面図・構造図など)
  • 必要に応じて、強度計算書など

特に図面については、スケールや記載内容が自治体ごとの様式や要領に沿っているかが重要です。写真は、周囲の建物や道路状況も分かるように広めのアングルで撮影し、広告物の設置予定位置をわかりやすく示すと審査がスムーズになります。

許可までにかかる期間は?

許可が下りるまでの期間は、申請内容や自治体によって異なりますが、通常2週間〜1ヶ月程度が目安です。
ただし、申請内容に不備がある場合や、補正対応が求められた場合はさらに時間がかかることもあります。

設置日から逆算して、ゆとりのあるスケジュールを組んでおくことが重要です。

 

屋外広告物の許可申請にかかる費用・手数料はどのくらい?

申請手数料の目安はどのくらい?

屋外広告物を設置する際には、申請手数料(行政手数料)が発生します。この金額は設置する広告物のサイズや設置場所、さらには自治体ごとの条例によって異なり、おおよそ5,000円〜20,000円程度が相場です。

特に、大型のネオン看板や広告塔などは、安全性や景観への影響が大きいため、手数料が高めに設定されている傾向があります。また、新規申請と更新申請とで金額が異なる場合もありますので、設置予定地の自治体ホームページで確認しておくことが大切です。

なお、この手数料は「広告物1件ごと」に発生します。複数の看板を設置する場合には、その件数分の費用が必要になる点にも注意しましょう。

行政書士に依頼する場合の費用相場

屋外広告物の申請は、ご自身で行うことも可能ですが、実際には次のような工程が含まれるため、想像以上に手間と時間がかかることがあります。

  • 図面・写真の作成と整理
  • 各書類の記載・添付ミス防止
  • 自治体との事前協議・補正対応

とくに、看板の規模が大きい場合や、複雑な構造・場所に設置する場合は、申請内容も煩雑になりやすく、専門知識が求められる場面も少なくありません。そのような場合は、行政書士に手続きを代行してもらうという選択肢もあります。依頼費用は地域差や業務範囲によって異なりますが、おおよそ50,000円〜100,000円前後が一般的な目安です。

この報酬には通常、「事前の現地調査・相談」、「必要書類の作成・収集」、「自治体との調整・申請提出」、「正対応・許可証の受領」など、一連の業務を含んでいます。

専門家に依頼するメリット

行政書士に依頼することで、ミスによる申請の差し戻しや許可の遅れを回避できるのが大きなメリットです。また、条例上の制限を事前に確認し、リスクを抑えた上で申請を進められるため、許可取得の確実性も高まります

「初めてでよく分からない」「急いで設置したい」「複数件の申請をまとめて進めたい」といった場合には、専門家のサポートを受けることで、安心してスムーズに手続きを進めることができるでしょう。

 

屋外広告物許可の更新手続きとは

更新手続きの流れと必要な書類

意外と思われるかもしれませんが、屋外広告物の許可には有効期限があり、期間満了後も設置を継続する場合は、更新申請を行う必要があります。更新を忘れてしまうと無許可状態となり、撤去命令や過料の対象になる恐れがあるため、余裕を持った対応が大切です。

更新の基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 許可証の有効期限を確認
  2. 更新申請書の作成
  3. 必要書類の準備(現況写真、申請書、許可証の写し、印鑑など)
  4. 設置場所を管轄する自治体窓口へ提出
  5. 審査後、更新許可証が交付される

このとき、広告物の現況や周辺環境が変わっていないかも審査対象となるため、最新の現況写真を提出するのがポイントです。

更新時に気をつけたいポイント

更新申請で特に大切なのは、「期限前に確実に申請を済ませること」です。多くの自治体では、有効期限の1か月前までに提出することを推奨または義務付けています。

また、広告物に劣化や破損が見られる場合は、更新前に修繕を行い、安全性を確保した状態で申請するようにしましょう。構造上の問題や老朽化が指摘されると、更新が認められない場合や改善指導が入ることもあります。

許可の有効期間について

屋外広告物の許可期間は、自治体によって異なりますが、1年〜3年程度が一般的です。長期的な設置を予定している場合は、更新のスケジュールを見据えて、定期的な点検やメンテナンスを計画的に行うことが重要です。

特に大型の看板や高所に設置された広告塔の場合は、安全確認の徹底が求められるため、設置後の管理も怠らないようにしましょう。

更新が認められなかった場合の対応

更新申請をしたにもかかわらず不許可となった場合は、内容に応じて改善策を講じる必要があります。

たとえば、以下のような対応が必要になることもあります。

  • 設置場所の変更
  • 広告物のサイズ縮小
  • 構造部分の補強や改修

許可が下りない状態のまま放置してしまうと、行政からの撤去命令が出される可能性もあるため、速やかに対応を検討しましょう。自力での対応が難しいと感じた場合や、判断に迷うケースでは、行政書士などの専門家に相談することで、スムーズかつ確実な対応が可能になります。

 

まとめ

屋外広告物の設置には、景観保護や安全確保のために許可申請が必要であり、更新も忘れず行うことが大切です。申請手続きは複雑に感じるかもしれませんが、ポイントを押さえればスムーズに進められます。迷ったときは行政書士へ相談し、安心・確実に進めていきましょう。

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