管工事業とは?建設業許可が必要な理由・取得要件・流れをわかりやすく解説

管工事業とは?建設業許可が必要な理由とは?

管工事業とは、建物内外における「水・空気・ガス」などの流れをつくる設備工事全般を指します。暮らしに欠かせないインフラを支える重要な工事であり、施工には専門的な知識と技術が必要です。管工事の具体例や建設業許可が必要な理由をご紹介します。

 

管工事業にあたる具体的な工事例

管工事には、次のような工事が含まれます。

  • 冷暖房・空調設備の設置や更新
  • 給排水衛生設備の配管工事
  • 都市ガスやプロパンガスの引き込み・配管工事
  • 設備機器の更新にともなう既存配管の改修

 

なぜ建設業許可が必要なの?

管工事業では、1件の請負代金が税込500万円以上となる工事を請け負う場合、建設業法に基づく建設業許可が必要です。無許可のまま対象工事を受注すると、行政処分や罰則の対象となるおそれがあります。建設業許可は、一定規模以上の工事を適法に受注するための要件であると同時に、取引先からの信用を得るうえでも重要な要素です。

 

管工事業で取得すべき建設業許可の種類とは?

管工事業で建設業許可を取得する際、「どの種類の許可が自社に必要なのか分からない」というご相談をよくいただきます。建設業許可には、大きく分けて「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の2種類があり、それぞれの違いを理解しておきましょう。

 

一般建設業許可と特定建設業許可の違い

区分 概要 主なケース
一般建設業許可 元請として下請に発注する金額が5,000万円(税込)未満(建築一式工事は8,000万円未満)の場合に必要となる許可 中小規模の事業者、下請けとして工事を受注する場合など
特定建設業許可 元請として下請に発注する金額が5,000万円(税込)以上(建築一式工事は8,000万円以上)となる場合に必要となる許可 公共工事の大型案件や、大企業から元請として受注する場合など

実務上は、まず一般建設業許可を取得し、事業拡大に応じて特定建設業許可へ切り替えるケースも多くみられます。

 

管工事業と解体工事業・水道施設工事などの業種区分に注意

管工事業の許可申請では、要件を確認するだけでなく、自社の工事がどの業種に当たるかを正しく整理することが重要です。管工事では壁や床の一部撤去を伴うことがありますが、その作業があるだけで直ちに別業種の許可が必要になるとは限りません。実務では、主たる工事の内容と施工内容全体を踏まえて、該当する業種区分を個別に判断します。

特に注意したいのは、管工事と解体工事業・土木一式工事・水道施設工事・機械器具設置工事との区分です。たとえば、建物敷地内の給排水・空調・ガス配管工事は管工事に該当しやすい一方、公道下の下水道配管工事は土木一式工事に整理されることがあります。また、上水道の取水・浄水・配水施設や、下水処理設備の築造・設置は水道施設工事に整理されることがあります。

さらに、建築物内の一般的な空調設備工事は管工事に区分されることが多い一方、トンネルや地下道などの大規模な給排気設備は機械器具設置工事に整理される場合があります。受注前の見積り段階で、工事内容と許可業種の関係を確認しておくことが大切です。

 

管工事業で建設業許可を取得するための3つの主な要件

「管工事業の建設業許可を取りたいけど、自分たちが条件を満たしているか不安…」そんなご相談を多くいただきます。実際、建設業許可を取得するには法律で定められた以下の3つの要件をクリアする必要があります。

    • ① 常勤役員等の要件
    • ② 営業所技術者等の要件
    • ③ 財産的要件(資本金や自己資金)

それぞれに細かい条件や証明書類が必要になりますので、取得の可否を分ける重要なポイントです。以下で詳しく解説します。

 

① 常勤役員等の要件

建設業許可では、営業所における経営体制として「常勤役員等」の要件を満たす人員が必要です。実務上は、建設業に関する一定の経営経験を有する役員等がいるかどうかを確認することになります。

代表的なのは、建設業の経営に関して一定年数以上の経験を有するケースですが、実際の審査では役職名だけでなく、建設業の経営業務に実際に関与していたことが重視されます。単に現場に出ていたというだけでは足りず、請負契約、資金管理、発注、労務管理など、経営業務に関わっていたことを資料で示す必要があります。

主な確認資料としては、登記事項証明書、確定申告書、決算書、工事請負契約に関する資料などが用いられます。個別事情により必要資料は異なるため、事前に申請先の手引きや窓口で確認しておくことが大切です。

 

② 営業所技術者等の要件(資格または実務経験)

次に、営業所ごとに「営業所技術者等」を置く必要があります。管工事業では、一定の国家資格を持つ方のほか、学歴や実務経験の組み合わせ、または一定年数以上の実務経験によって要件を満たせる場合があります。

代表的な例としては、1級・2級管工事施工管理技士などの資格者が挙げられます。資格がない場合でも、管工事に関する実務経験を資料で適切に証明できれば、要件を満たせる可能性があります。

実務経験で申請する場合は、単に在籍していた事実だけでなく、どの工事に、いつ、どの立場で関与したかを確認できる資料が重要です。注文書、請書、契約書、請求書、入金記録、工事写真、工程表などを組み合わせ、工事内容が管工事に該当することまで示せると審査上有効です。

なお、特定建設業許可では一般建設業よりも技術者要件が重くなるため、将来的に大規模案件を見据える場合は、早い段階から資格者の確保を意識しておくと安心です。

 

③ 財産的要件(自己資金・資本金の基準)

最後は「財産的基盤」があるかどうかの確認です。許可取得の際には、500万円以上の自己資金を証明する必要があります。法人の場合は「資本金500万円以上」が基準となり、これを満たしていれば要件クリアです。

一方、個人事業主や資本金が500万円未満の法人では、「預金残高証明書」などで自己資金の保有を証明することになります。

 

管工事業で建設業許可を取得するまでの流れ

管工事業の建設業許可は、要件確認から申請、取得後の管理まで、段階ごとに進めることが大切です。まずは全体の流れを確認しておきましょう。

STEP1:要件確認STEP2:書類準備STEP3:申請・審査STEP4:許可後の管理

それぞれのステップで確認すべきポイントを、以下で順に解説します。

 

① 要件のチェック|まずは取得可能かを確認

最初に、自社が許可要件を満たしているかを確認します。主なチェック項目は次のとおりです。

  • 常勤役員等の要件を満たす人員がいること
  • 営業所技術者等を配置できること(資格・学歴・実務経験など)
  • 500万円以上の自己資金または資本金
  • 欠格要件に該当しないこと(破産者・暴力団関係者など)

この段階で不明点があれば、申請前に整理しておくことが大切です。

 

② 書類の準備|必要資料を漏れなく揃える

要件を確認できたら、申請に必要な書類を準備します。主な書類は次のとおりです。

  • 建設業許可申請書
  • 常勤役員等に関する確認資料(登記事項証明書・確定申告書・決算書など)
  • 営業所技術者等の資格証明や実務経験資料
  • 自己資金や資本金を証明する残高証明書・決算書
  • 営業所の所在地確認書類(賃貸契約書・登記簿など)

特に実務経験で申請する場合は、補足資料も含めて早めに整理しておくと安心です。

 

③ 申請・審査|都道府県へ提出し、1〜2ヶ月ほど審査

書類が揃ったら、管轄の建設業担当窓口へ申請します。提出後は次の流れで審査が進みます。

  • 形式審査(不備があると修正依頼)
  • 内容審査(実績・要件の妥当性を確認)
  • 審査期間:約30日〜45日が目安(地域や繁忙期により変動)

 

④ 許可取得後の注意点|継続的な届出・更新も必要

許可取得後も、継続的な届出や更新対応が必要です。

  • 決算変更届:毎事業年度終了後4ヶ月以内に提出
  • 更新申請:5年ごとに必ず実施
  • 変更届:商号・役員・営業所技術者等に変更があった場合

日頃から資料を整理しておくことで、更新や変更時にも対応しやすくなります。

 

管工事業の建設業許可取得にかかる費用と期間

管工事業の建設業許可を取得するにあたっては、申請手数料や行政書士報酬の目安、許可が下りるまでの期間を事前に把握しておくことが大切です。あらかじめ全体像を知っておくことで、資金計画や受注スケジュールを立てやすくなります。

 

費用の目安

項目 目安費用 内容
申請手数料(知事許可・一般) 9万円 都道府県へ支払う審査手数料です。管工事業では知事許可で申請するケースが多く、基本的な費用の目安になります。
申請手数料(大臣許可) 15万円 複数の都道府県に営業所を設ける場合などに必要となる大臣許可の申請手数料です。
行政書士報酬 10万円~20万円程度 知事許可・一般の新規申請を依頼する場合の目安です。実務経験での申請や資料整理が複雑な場合は追加費用が発生することがあります。

自分で申請する場合は行政書士報酬はかかりませんが、書類作成や添付資料の収集、証明資料の整理などに時間と手間がかかります。不備があると補正や再提出が必要になることもあるため、負担を抑えたい場合は専門家への依頼を検討するのもひとつです。

 

期間の目安

項目 目安 内容
書類準備期間 数日~数週間 必要書類の収集状況や、実務経験を証明する資料の有無によって変わります。
審査期間 約30日~45日 申請先の都道府県や時期によって前後します。
取得までの全体期間 約1.5ヶ月~2ヶ月 書類準備から申請、審査完了までを含めた全体の目安です。

許可取得までの期間は、書類準備にどれだけ時間がかかるかによって変わります。特に実務経験で申請する場合は資料集めに時間を要することがあるため、早めに準備を始めることが大切です。

 

管工事業の許可申請でよくあるつまずき

管工事業の建設業許可では、次のような点で申請が止まりやすい傾向があります。

  • 工事実績はあるのに、資料上は「管工事」と読み取れない
  • 空調・給排水・機械設備の区分が曖昧で、許可業種の整理が不十分
  • 営業所技術者等として予定している人の常勤性を十分に示せない
  • 過去の請求書や契約書が揃わず、実務経験年数の立証が弱い

許可申請は、要件を満たしているかどうかだけでなく、それを資料でどう証明するかが結果を左右します。特に実務経験で申請する場合は、早めに資料を洗い出しておくことが重要です。

 

まとめ

管工事業で工事を受注していくなら、建設業許可の取得は事業拡大や信用力アップにつながる大切なステップです。許可の要件や申請の流れを事前に知って準備を始めることをおすすめします。

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